Cygwin で 日本語 TeX --- ptetex ソースからのコンパイル

Cygwin で 日本語 TeX (ptetexwin) > ptetex ソースからのコンパイル

このページで言う コンパイル とは,platexdvipdfmx などのバイナリ・コマンドを作ること ---「C 言語のソースを コンパイル する」といった状況と同義--- を指します.「TeX 文書を タイプセット する」ことにも コンパイル という言葉はたびたび使われますが,状況が違います.TeX 文書を タイプセット したい方は,以下の説明を読まずに,インストール法 の項を御参照ください.TeX 環境一式の導入が終われば,Cygwin の窓から platex ファイル名 <Enter> などと打ち込んで日本語 TeX を使うことができます.

日本語 TeX 環境を使うだけの方は,バイナリのインストール で十分ですが, 以下では,バイナリインストールではなく自分で ptetex を make (コンパイル・インストール) したい場合 (自力で最新 TeX 環境を入手したい方,コマンドに特別な拡張が必要な方などを想定) について解説します. ただし,自力での make は,Cygwin 自身の不安定さに影響されることがある上, Cygwin 本家の Ghostscript は日本語化されておらず Ghostscript (gs-cjk) の用意からして自分でしなければならないので,おすすめできません. よほどのことがない限りはバイナリでの導入を推奨します.

開発者にコミットした結果,提供されている ptetex3 ソースのままでほぼコンパイルを通すことができるようになっていますが, Cygwin 用に手を入れたほうがよい個所があります. 以下での説明に加え,拙作の ptetex パッケージを作る際の作業をまとめたスクリプトを release/ptetex/ 以下に置いてあります (ptetex-*-src.tar.gz) ので合わせてどうぞ.

コンパイルに必要なパッケージ

setup.exe を用いて Cygwin をインストールする際,Install ではなく Default を選んでいた場合,

を追加でインストールする必要があります.その他にも

が入っているとコンパイル時間を短くできます.

さらに,PostScript の 処理系として,日中韓 TrueType フォント処理・非埋込に対応した Ghostscript をインストールしておきます. ただし,Cygwin で提供されている Ghostscript は,CJK TrueType フォント処理・非埋込に対応しておらず,日本語の処理に難点があります. そこで,バイナリパッケージを用意しました (詳細は 別ページ 参照). Cygwin のネットインストールで,

http://ptetexwin.sourceforge.jp
ダウンロードサイトに追加 し,ptetex-ghostscript を選択すればインストールできます.

ファイルのダウンロード・展開

以下の 3 つのファイルをダウンロードして同じディレクトリ (フォルダ) に置きます.

ptetex3-20YYMMDD.tar.gz だけ解凍してディレクトリの中に移ります.

$ gzip -cd ptetex3-20YYMMDD.tar.gz | tar xvf -
$ cd ptetex3-20YYMMDD

コンパイルオプションの設定

Cygwin で用意されているパッケージの都合や Windows の仕様に合わせるため,my_option というファイルにいくつかの設定を書きます.

まず,my_option.sample を一つ上のディレクトリに my_option という名前でコピーします (注.ptetex3-20YYMMDD のバージョンが上がったときにも再利用できる可能性が高いです).

$ cp my_option.sample ../my_option

こうして作った my_option にはすでにどう設定すればよいかの指針が満載なので, 以下では my_option ファイルの中身をどう編集すれば良いかを書きます.

漢字コード

漢字コードを「シフト JIS」にします.具体的には以下の行を有効にします (アンコメントします):

# KANJI_CODE=SJIS

有効にする (アンコメントする) とは,いまの場合行頭の # を取り除くことです.つまり以下のようになればよいわけです:

KANJI_CODE=SJIS

xdvi のツールキット

xdvi のツールキットを指定します.ディフォルトで用いられる motif では,コンパイルはできますが実行時に落ちます. Cygwin では,ライセンスの都合上 Motif ツールキットに OpenMotif が採用できず, 互換物の lesstif が採用されていて,うまく設定されていないかまたは xdvi との相性が悪いためのようです. xaw(3d) を指定すれば回避できるので,次のどちらかを有効にします.後者がおすすめです.

# CONF_OPTION="$CONF_OPTION --with-xdvi-x-toolkit=xaw"
# CONF_OPTION="$CONF_OPTION --with-xdvi-x-toolkit=xaw3d"

ここで以前の環境を削除し,ファイルを展開します.

$ make uninstall # 以前の ptetex 環境が残っていれば
$ make distclean # 以前の展開済みソースが残っていれば
$ make

とコマンドラインから入力します. 不都合な環境変数などがあった場合,メッセージが表示されるので,メッセージを見ながら my_option をさらに編集することで対処します. 対処の後,make を再開し,順に以下を実行すれば完了です.

$ make otf   # OTF パッケージも入れるなら
$ make babel # pTeX で Babel マクロも使うなら
$ make font
$ make install # /usr/local 以下への書き込み権限が必要

各手順の意味などは ptetex のオリジナルの解説を御覧ください.

xdvi で,Ghostscript 経由の画像を表示したい場合

Ghostscript の準備の仕方もよりますが,拙作のパッケージ を使う場合には,上記のインストール終了後,以下を実行してリソースファイルを編集します.

$ echo "XDvi.Interpreter: /usr/local/teTeX/bin/gs.exe" >> /usr/local/teTeX/share/texmf/xdvi/XDvi

動作確認

X Window System を起動し,

$ startx &

以下を実行すると,動作確認が始まります.エラーなく終了することを確認します.

$ make test

platex-test-* というディレクトリに,動作確認で生成されたファイル群があるので,例えば dNOKANJI.dvi などを開いて,文字や画像が表示されるかを確認するのもいいでしょう.

$ cd ptetex-test-*
$ xdvi dNOKANJI.dvi

PATH の設定

最後に,/usr/local/teTeX/bin にパスを通します.

$ export PATH="/usr/local/teTeX/bin:$PATH"   # sh/bash または
$ setenv PATH "/usr/local/teTeX/bin:$PATH"   # csh/tcsh (rehash を忘れずに)

上のコマンドは,開いているシェル 1 枚だけに適用するコマンドです.恒久的に設定するには,上のコマンドを

sh/bash csh/tcsh
個人ユーザだけに設定 ~/.bashrc ~/.cshrc~/.tcshrc
全ユーザ共通に設定 /etc/profile.d/tetex.sh /etc/profile.d/tetex.csh

のようなファイルに書き込みます. ファイルに書き込んだ設定が有効になるのは,Cygwin の新しい窓を立ち上げたときです.

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